床下収納庫といえばホームセンターに既製品が売っている。なぜ自作したか。
既製品の床下収納庫は根太ピッチ303mmまたは455mmを前提に設計されている。しかし、腐食根太を復元した今回の洗面脱衣室では、根太ピッチが不規則(340mm〜480mm混在)になってしまっていた。既製品の開口枠サイズが根太の配置に合わない。
また、洗面脱衣室の床下空間の深さが220mmしかなく、一般的な既製品(深さ250〜300mm)が入らなかった。自作しかなかった。
床下収納庫の外寸は「開口を切り抜く根太の間隔」に収まらなければならない。根太を切断するのはNG(構造強度が落ちる)。
| 寸法項目 | 寸法 | 設計根拠 |
|---|---|---|
| 根太間有効寸法(幅方向) | 475mm | 隣接根太2本の内側寸法を実測 |
| 根太間有効寸法(奥行き方向) | 560mm | 直行する根太2本の内側寸法を実測 |
| 収納庫外寸(幅) | 463mm | 根太有効475mm − 両側6mm(枠材厚3mm×2) |
| 収納庫外寸(奥行き) | 548mm | 根太有効560mm − 両側12mm(隙間余裕) |
| 収納庫内寸(幅) | 455mm | 外寸463 − 側板厚4mm×2 |
| 収納庫内寸(奥行き) | 540mm | 外寸548 − 側板厚4mm×2 |
| 収納庫深さ | 220mm | 床下空間の実測深さから蓋厚・枠厚を引いた値 |
底板に30kgの荷物を置いたとき、底板がたわんで割れないか確認する。機械設計の仕事で使う梁のたわみ計算を木材に適用する。
12mm合板で問題ないことが確認できた。念のため底板は2枚重ね(計24mm)にすることも検討したが、重量・深さの制約から12mm1枚で進めた。
| 部材 | 材料 | 寸法 | 数量 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| 底板 | 針葉樹合板 12mm | 463×548mm | 1枚 | 収納庫底面 |
| 側板(長辺) | 針葉樹合板 12mm | 220×548mm | 2枚 | 収納庫の奥・手前の壁 |
| 側板(短辺) | 針葉樹合板 12mm | 220×439mm(=455-12×2を考慮) | 2枚 | 収納庫の左・右の壁 |
| 開口枠材 | 45×30mm 角材 | 各辺合わせカット | 4本 | 床板への固定枠(蓋の受け) |
| 蓋板 | フロア合板 12mm | 475×560mm(開口より大きく) | 1枚 | 蓋本体(別記事:014で詳述) |
| 防腐剤 | キシラデコール | — | 適量 | 全木材面に2度塗り |
設計図の寸法通りに丸のこ+ガイドレールでカット。ガイドレールがない場合はクランプで真っ直ぐな材木をガイドとして固定する。±0.5mm以内の精度で切れれば箱組みの隙間が最小になる。
カット順序:①底板 → ②長辺側板2枚 → ③短辺側板2枚。ガイドをセットしたまま同じ寸法のものを2枚続けて切ると効率的。
組み立てる前に全パーツにキシラデコールを1度塗りする。組み立て後は塗れない面(内側の木口)があるため、必ず組む前に塗る。刷毛で薄く均一に塗り、4〜6時間乾燥させる。
①底板を水平な台に置く。②長辺側板を底板の奥・手前に立て、コーナークランプで固定しながらビス留め(65mmコーススレッド、200mm間隔)。③短辺側板を両端に立て、同様にビス留め。
組み立て中は対角寸法を計測してひし形になっていないか確認。2本の対角線の差が2mm以内なら直角が出ている。
箱が組み上がった状態で、外面・内面すべてに2度目のキシラデコールを塗布。木口(切断面)は吸い込みが多いので念入りに。さらに6時間以上乾燥させる。
床板の開口部周囲に45×30mm角材(開口枠)を取り付ける。この枠が収納庫を支持し、蓋の受けにもなる。角材の上面を床板上面と面一(つらいち)になるよう、根太にビスで固定する。
完成した収納庫箱体を開口から床下に下ろし、開口枠の内側に収める。収納庫の上端(側板の上面)が開口枠の下面に当たるよう位置決めする。必要に応じてL字金物で開口枠に固定する。
床下収納庫の蓋は「ただの板」では不十分だ。以下の3条件を満たす必要がある。
「フラッシュ構造」とは、框(フレーム)の両面に薄い板を張った軽くて剛性の高い構造。ドアや収納扉に多用される。今回は片面張り(表面のみ)のシンプルな版を採用した。
30×40mm角材を蓋の外寸に合わせて枠組みする。四隅はビスコーナー接合(木工用ボンド併用)。框の外寸は蓋の仕上がり外寸(475×560mm)通りに。
フロア合板12mm(475×560mm)を框の上面に木工用ボンド+ビスで固定。ビスは框の内側から斜め打ち(トメビス)して表面に出ないようにする。表面は周囲のフロア材と合わせたクッションフロアを貼る(後工程で実施)。
蓋の中央にリングプル(埋め込み式の引き手)を取り付ける。使わないときはリングが蓋と面一に収まり、使うときはリングを引き起こして蓋を持ち上げる。
取り付けは蓋に穴を開けて本体を埋め込みビス留め。穴径・深さは製品の指定寸法を厳守。
開口枠の上面(蓋が乗る面)にスポンジゴム製パッキンテープ(3mm厚)を一周貼る。蓋を閉めたときにパッキンが圧縮されて気密が取れる。床下のニオイ・虫・冷気がこのパッキンで遮断される。
蓋を開口枠に乗せて床面との段差を確認。段差がある場合はパッキンの厚みか枠の高さを調整する。踏んでガタつく場合はパッキンの弾力不足——厚めのパッキンに交換する。
| 確認項目 | 基準値 | 結果 |
|---|---|---|
| 蓋上面と周囲床面の段差 | 0.5mm以内 | 0.3mm ✅ |
| 蓋を踏んだときのたわみ | 目視でたわみなし | 問題なし ✅ |
| 蓋を踏んだときのガタつき | 音・動きなし | 問題なし ✅ |
| 開閉のしやすさ | 指1本でリングを引いて開けられる | 問題なし ✅ |
底板のたわみ計算・根太ピッチとの整合・材料選定まで、床下収納庫の自作設計を機械設計の観点でレビューします。
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