ウッドデッキ編 第13〜16回 Phase 2 — 詳細設計

この4記事でわかること

📋 確定材料点数: 26品目 🔢 部材種類: 単管・SPF・ポリカ・金物・塗料 📐 設計ツール: 手書きスケッチ + Excelで数量管理

013: 材料リストの全体像を作る

計画・材料検討(001〜012)が終わり、いよいよ具体的な「材料リスト」に落とし込む段階。このリストが積算(費用計算)と発注の元になる。

機械設計の仕事では「部品表(BOM: Bill of Materials)」を作るのが当たり前。それと同じ感覚でウッドデッキの材料リストを作った。

カテゴリ品目数主な部材
構造材(単管)3品目φ48.6mm 各長さ、クランプ各種
床材2品目SPF 2×6、SPF 1×4(フェンス縦桟)
根太・梁・垂木3品目SPF 2×6、SPF 2×4、SPF 2×8
屋根材3品目ポリカ波板、波板ビス、端部キャップ
基礎3品目束石(羽子板付き)、砕石、防草シート
金物・ビス類6品目コーススレッド各種、ボルト・ナット類
塗料・仕上げ3品目キシラデコール、変性エポキシ塗料、マスキングテープ
その他消耗品3品目水糸、貫板、養生シート
合計26品目
💡 BOM方式で作るメリット
品目ごとに「単価×数量=小計」を管理するExcel表を作ると、設計変更時に費用がリアルタイムで再計算できる。結果的に予算超過を防ぎ、¥187,000という目標内に収めることができた。

014: 各部材の断面寸法・仕様の確定

材料リストができたら、各部材のサイズを確定する。サイズを決める根拠は「強度計算 + コスト + 入手性」の3軸。

部材確定仕様選定根拠
床板SPF 2×6(38×140mm)根太455mmスパンでたわみ計算クリア・入手容易
根太SPF 2×6(38×140mm)床板と同材で管理簡略化
垂木(屋根)SPF 2×4(38×89mm)母屋820mmスパンで十分・軽量
フェンス横桟SPF 2×4(38×89mm)縦桟固定受け材として十分
フェンス縦桟SPF 1×4(19×89mm)目隠し用・軽量・薄くて十分
構造単管(柱・梁)φ48.6mm t2.4mmJIS規格標準品・強度十分・最安

015: フェンス高さと手すり仕様の検討

フェンスに関しては「どこから見られるか」を現地で確認することが最重要。設計段階で近隣の家・道路の高さと距離を実測した。

確認1

視線シミュレーション

デッキ上に立って、隣家・道路から見える高さを確認。デッキ床面はGL+400mmなので、1,000mmフェンスはGL+1,400mmの高さになる。これで通行人・隣家の1F視線をほぼカットできることを確認。

確認2

転落防止基準の確認

建築基準法では床面から高さ1m以上の転落リスクがある場合、手すり(高さ1.1m以上)が必要とされる。デッキ床面がGL+400mmなので、転落高さは400mm → 法的義務はないが、安全のため1,000mmフェンスを設置することを決定。

016: 外壁との取り合い・水切りの設計

デッキは外壁に接して作るため、「外壁との取り合い(納まり)」を設計しないと雨水が外壁に伝って浸入する恐れがある。

取り合い箇所問題対策
デッキ根太と外壁 根太が外壁に密着→木が腐る 根太端部を外壁から10mm離す。隙間にシーリング材
屋根(ポリカ波板)と外壁 屋根と外壁の隙間から雨水が入る 壁際に水切り板金を取り付け→波板の上に重ねる
単管柱と床板 柱周りの隙間に水が溜まる 柱周りは床板を切り欠いて密着させ、コーキング
⚠ 外壁への水の浸入は最悪のシナリオ
外壁に水が入ると構造材の腐食・断熱材の劣化につながり、修繕費が数十万円になることがある。デッキ施工前に必ず外壁メーカーの施工要領書を確認し、取り合い処理を怠らないこと。
← 012: デッキ全体の構成決定 017: 現地調査と最終寸法確認 →

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ウッドデッキ編 第17〜20回 Phase 2 — 詳細設計

設計図4記事でわかること

✏️ 使用ツール: 方眼紙(手書き)+ 定規・コンパス 📐 縮尺: 平面1/50、断面1/20 💡 CAD不要: 手書きで十分に伝わる図面が描ける

017: 現地の再確認と最終寸法の確定

設計図を描く前に、もう一度現地を測り直す。計画段階(001〜002)から時間が経っていると、記憶と実寸がズレていることがある。

確認1

開口部・障害物の再確認

掃き出し窓の幅・高さ・敷居高さを再計測。エアコン室外機・水道管・排水枡など、デッキに干渉しうる障害物の位置をすべて図面に書き込む。

確認2

地面の高低差を測る

デッキ設置範囲の地面高さが均一でない場合、束石の高さ調整が必要になる。水糸を張って全4隅の地面高さを測り、最大高低差を記録。

確認3

最終サイズ確定:3,600×2,700mm

再計測の結果、当初計画通り幅3,600mm×奥行2,700mmで問題なし。床高さ(フロア面からの段差)も10mm以内に収まることを確認。

018: 平面図の作成(1/50縮尺)

平面図は「真上から見た図」。束石位置・根太配置・床板の割り付けがわかる図面。

手書き平面図の描き方
方眼紙(5mm方眼)を使い、1マス=250mm(縮尺1/50)で描く。3,600mmは14.4マス→14マス+余白で表現。まず外形を描き、次に根太線(455mm間隔)、束石位置(〇印)の順に描く。寸法線は2重線(寸法線+引き出し線)で入れる。

平面図に記入すべき情報

記入項目表現方法優先度
外形寸法外周に寸法線必須
束石位置〇印+番号必須
根太配置細線(455mm間隔)必須
開口部(窓)外壁線+窓幅必須
障害物室外機など斜線ハッチング推奨
方位(N矢印)図面右上に記入推奨

019: 立面図の作成(正面・側面)

立面図は「横から見た図」。床高・フェンス高・屋根勾配・軒の出など、高さ方向の寸法が確認できる。

今回は正面図(デッキを庭側から見た図)側面図(デッキを横から見た図)の2枚を描いた。

立面図の種類確認できる内容
正面図(南面・庭側) フェンス高さ・フェンス縦桟の間隔・軒先高さ
側面図(東または西面) 屋根勾配・垂木のかかり・床高さ・柱の高さ
💡 立面図は「比例感」の確認に使う
寸法が正確でなくても、縮尺で描くことで「フェンスが高すぎて圧迫感がないか」「屋根が低すぎて圧迫感がないか」を視覚的に確認できる。実際、この段階でフェンス高さを1,200mmから1,000mmに変更した。

020: 断面図の作成(1/20縮尺)

断面図は「デッキを輪切りにした図」。構造の積み重なり方(床板→根太→単管→束石)が一枚の図でわかる。これが最も「機械設計っぽい」図面。

断面図で確認すべきポイント

確認項目今回の結果
デッキ床面の高さ(GL+)400mm(掃き出し窓敷居と面一)
床板下端の高さGL+362mm(400 - 38)
根太上端の高さGL+362mm(床板下端と一致)
根太下端の高さGL+222mm(362 - 140)
束石上面の高さGL+200mm(根太下端に20mmの余裕)
屋根軒先高さGL+2,200mm(立ったまま入れる高さ)

この積み上げ確認で「束石を地面より200mm出す」という具体的な施工目標が決まった。

✏️ 設計図を描くのに使ったもの

方眼紙 A3(5mm方眼)
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三角スケール(建築用 1/50・1/100等)
縮尺図面を実寸で素早く読み取れる必須工具。建築用6縮尺入り。
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製図用シャープペン 0.5mm
細い均一な線が引けるので設計図が格段にきれいになる。ステッドラーやぺんてるが定番。
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← 016: 外壁との取り合い設計 021: 荷重計算の考え方 →

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この記事で使った材料・工具まとめ
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🎨
キシラデコール(防腐塗料)
屋外木材の防腐定番
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SPF材(2x4 / 2x6)
DIY木工の基本材
🪵
根太材
床下地の骨組み
🎨
木部防腐剤
土台・束柱の防腐処理
🔩
コーススレッド
木工DIYで最も使うビス
🔩
単管クランプ(直交・自在)
単管パイプの接合に
🏠
ポリカ波板
屋根材の定番。紫外線に強い
🌿
防草シート
庭・デッキ下の雑草防止
🔧
排水部材
排水管の接続・交換部品
🛡️
マスキングテープ
塗装・コーキングの養生に
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防腐・防虫塗料(キシラデコール)
束石・金物(柱脚金物)
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