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賃貸物件の更新手続きを自分でやる方法|仲介なしの直接更新

大家のリアル

「更新の時期が来たけど、管理会社に頼むと手数料が高い。自分でできないかな?」

そんな疑問を持ったことがある大家さんは多いはずです。

ぼくは現在6棟を自主管理しています。管理会社を使っていた時代もありましたが、3棟目を取得したころから「更新のたびに払う手数料が馬鹿にならない」と気づき、自分で更新手続きをやるようにしました。

最初は「法律的に大丈夫か?」「書類はどうすれば?」と不安でしたが、やってみると意外と難しくない。ちゃんと段取りさえ押さえれば、仲介業者と同じ品質の更新手続きを自分でできます。

この記事では、賃貸物件の更新手続きを自分でやる具体的な方法を、法律の基礎知識から実際の書類・入金管理まで丸ごと解説します。

  1. 賃貸契約の「更新」とは何か——基本をおさらい
    1. 合意更新(協議更新)
    2. 法定更新(自動更新)
  2. 借地借家法が定める「更新通知」のルール
    1. 更新拒絶には「正当事由」が必要
    2. 更新通知は「期間満了の1年前〜6ヶ月前」に送る
  3. 更新手続きの全体フロー——通知から入金まで
    1. ステップ1:更新通知書の送付(期間満了の6〜8ヶ月前)
    2. ステップ2:入居者の意思確認と条件合意(期間満了の3〜4ヶ月前)
    3. ステップ3:更新契約書の作成と送付(期間満了の2〜3ヶ月前)
    4. ステップ4:更新料・火災保険の確認と入金処理(期間満了の1ヶ月前)
    5. ステップ5:署名済み契約書の受領と保管(期間満了日まで)
  4. 更新料の相場と、もらえる・もらえないケース
    1. 地域別の更新料相場
    2. 法定更新になると更新料はもらえない
  5. 仲介業者に頼んだ場合のコストと自分でやった場合の節約額
  6. よくある失敗・トラブルと防止策
    1. 失敗1:更新通知を送り忘れて法定更新になる
    2. 失敗2:更新料を払ってくれない
    3. 失敗3:連帯保証人が変わっていた・亡くなっていた
    4. 失敗4:火災保険の更新を入居者が怠っていた
  7. 自分でやる更新書類の作り方——テンプレ活用のポイント
    1. ①賃貸借契約更新のご案内(通知書)
    2. ②賃貸借契約更新合意書(更新契約書)
    3. ③連帯保証人情報確認書
  8. DIY父さん的な更新手続きの効率化術
    1. LINEで事前確認、郵送は最小限に
    2. 更新料の振込先はひとつに絞る
    3. 更新管理表をスプレッドシートで管理
    4. 🏠 空室物件、いくらで貸せるか無料査定
    5. 🏠 外壁塗装は無料一括見積もりで比較がおすすめ
    6. 🏠 屋根の修理・塗装は専門業者に相談しよう

賃貸契約の「更新」とは何か——基本をおさらい

賃貸借契約には「普通賃貸借契約」と「定期賃貸借契約」の2種類があります。一般的な賃貸住宅のほとんどは普通賃貸借契約で、契約期間(多くは2年)が満了したあとも引き続き住み続ける場合は「更新」という手続きが必要です。

更新には大きく2種類あります。

合意更新(協議更新)

大家と入居者が合意のうえで、新たな契約期間・条件を定めて契約を更新する方法です。このとき「更新契約書」を作成し、双方が署名・押印します。更新料を受け取る場合もこのタイミングで取り決めます。

法定更新(自動更新)

契約期間が満了しても、大家・入居者の双方が「更新しない」という通知をしなかった場合、借地借家法26条によって契約が「自動的に更新」されます。これが法定更新です。

法定更新の場合、契約期間の定めがなくなり(期間の定めのない契約として継続)、更新料の請求根拠も原則として失われます。また、入居者側は1ヶ月前の予告で解約できるようになります。

「通知を忘れて法定更新になってしまった」という大家さんの失敗談はよく聞きます。ぼくも1棟目の2室目で経験しました。入居者との関係が良好だったのでトラブルにはなりませんでしたが、更新料(当時1ヶ月分・52,000円)をもらいそびれました。それ以来、Googleカレンダーで「更新予告期限」を2年前から登録するようにしています。

借地借家法が定める「更新通知」のルール

自分で更新手続きをやるうえで、最低限知っておきたい法律のポイントを整理します。難しく考える必要はありませんが、「通知のタイミング」だけは絶対に押さえてください。

更新拒絶には「正当事由」が必要

借地借家法28条では、大家が更新を拒絶する(入居者に出ていってもらう)場合、「正当事由」が必要とされています。「次の入居者のほうが家賃が高い」「古くなったから建て替えたい」といった大家の都合だけでは正当事由として認められないケースが多く、日本の法律は入居者保護に傾いています。

更新通知は「期間満了の1年前〜6ヶ月前」に送る

借地借家法26条1項では、「期間満了の1年前から6ヶ月前までの間」に、更新しない旨または条件変更の通知をしなければならないと規定されています。

つまり、2年契約の場合、契約終了の6〜12ヶ月前(契約開始から12〜18ヶ月後)が「更新の意思確認と通知」をするべきタイミングです。

タイミングやること
期間満了の6〜12ヶ月前更新の意思確認通知を送付
期間満了の2〜3ヶ月前更新契約書の送付・署名依頼
期間満了の1ヶ月前まで更新料・保証料の入金確認
期間満了日新契約期間スタート

更新手続きの全体フロー——通知から入金まで

ステップ1:更新通知書の送付(期間満了の6〜8ヶ月前)

まず「契約更新のご案内」という通知書を作成し、入居者に郵送します。内容は以下の通りです。

  • 現契約の期間満了日
  • 更新後の契約期間(例:2年間)
  • 更新後の家賃・管理費(変更がある場合は変更後の金額)
  • 更新料の有無と金額
  • 返送期限と返送先

ぼくはA4で1枚にまとめたテンプレートを使っています。ワードで作ったシンプルなもので、物件名・部屋番号・入居者氏名・金額を差し替えるだけ。封書で送付し、切手代84円だけのコストです。

このタイミングで家賃の値上げを交渉することもあります。ぼくが管理する築22年のアパートでは、近隣相場が上がってきたため、2024年の更新時に1室だけ月3,000円の値上げを打診しました。入居者と2往復やりとりして、最終的に月2,000円の値上げで合意。書面で記録に残しました。

ステップ2:入居者の意思確認と条件合意(期間満了の3〜4ヶ月前)

通知書を送ったあと、入居者から「引き続き住みます」「退去します」の返答をもらいます。返送用の返信書(ハガキ or 用紙)を同封しておくとスムーズです。

「返事が来ない」という場合は、電話やLINEで確認します。ぼくは全入居者のLINEを持っているので、メッセージで「更新の件、いかがでしょうか?」と確認するのが一番早い。大家と入居者が直接連絡できる自主管理の強みです。

ステップ3:更新契約書の作成と送付(期間満了の2〜3ヶ月前)

「継続して住む」という意思が確認できたら、「賃貸借契約更新合意書」を作成し、2通(大家保管用・入居者保管用)を送ります。

更新契約書に記載する内容は以下です。

  • 物件の所在地・部屋番号
  • 大家の氏名・住所
  • 入居者の氏名・住所
  • 更新後の契約期間(開始日〜終了日)
  • 月額賃料・共益費
  • 更新料の金額と支払期限
  • 連帯保証人の情報(変更がある場合)
  • その他特約事項

書式は法務局や不動産関連の書籍で公開されているサンプルを参考に、自分でワードで作れます。ぼくが使っているテンプレートはA4で2枚、収入印紙(200円)を貼る欄も設けています。

ステップ4:更新料・火災保険の確認と入金処理(期間満了の1ヶ月前)

更新料がある場合、入居者から振込んでもらいます。振込先の銀行口座は通知書・契約書に明記しておきましょう。

また、火災保険の期間も同時に確認します。多くの賃貸借契約では、入居者自身が火災保険(借家人賠償責任保険込みのもの)に加入することを特約で義務付けています。保険が切れていないか、更新しているかを証券コピーや保険証書で確認する習慣をつけておくと、後々のトラブルを防げます。

ステップ5:署名済み契約書の受領と保管(期間満了日まで)

入居者から署名・押印済みの契約書が返送されたら、大家控えを手元に保管します。ぼくはスキャンしてGoogleドライブにも保存しています。物件ごとにフォルダを分けて、いつでも参照できる状態にしておくのがポイントです。

更新料の相場と、もらえる・もらえないケース

地域別の更新料相場

首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)では、更新料として「家賃1ヶ月分」が一般的です。関西(大阪・京都・兵庫)では更新料が発生しないケースが多く、代わりに「更新事務手数料(数千円〜数万円)」として受け取る場合もあります。

ぼくの物件は埼玉と群馬にまたがっています。埼玉の物件は更新料1ヶ月分(4.5万〜5.5万円程度)、群馬の物件は更新事務費1万円という設定にしています。

法定更新になると更新料はもらえない

法定更新(自動更新)になった場合、更新料の請求が困難になります。最高裁判例でも「法定更新の場合は原契約の更新料条項が適用されるかどうかは契約書の文言次第」とされており、グレーゾーンです。

実務的には「法定更新になっても更新料を請求できる」よう、契約書の特約に「法定更新の場合も更新料を支払う」という文言を入れておくことをおすすめします。

仲介業者に頼んだ場合のコストと自分でやった場合の節約額

自分で更新手続きをやる最大のメリットは、やはりコスト削減です。

項目管理会社に任せた場合自分でやった場合
更新事務手数料(大家負担)25,000〜50,000円0円
書類郵送費(込み)約500円(切手・封筒)
自分の作業時間ほぼなし1〜2時間
合計コスト25,000〜50,000円約500円

ぼくの物件では年間6〜10件程度の更新が発生します。すべて自分でやれば、年間15万〜30万円程度の削減になっています。6棟を取得してから4年で、累計で50万円以上は節約できた計算です。

よくある失敗・トラブルと防止策

失敗1:更新通知を送り忘れて法定更新になる

これが最も多いトラブルです。防止策:Googleカレンダーに「物件名・部屋番号・更新通知期限」を登録し、期限の2ヶ月前にリマインダーをセット。入居開始日から18ヶ月後をアラートの目安に。

失敗2:更新料を払ってくれない

防止策:更新契約書に支払期日を明記する。期日を過ぎたら電話で確認し、それでも払わない場合は内容証明郵便で催告する。

失敗3:連帯保証人が変わっていた・亡くなっていた

防止策:更新通知を送る際に「連帯保証人情報確認書」を同封し、現住所・電話番号・在職状況を書いてもらう。変更が必要な場合は新たな保証人を立てるか、保証会社の活用を検討する。

失敗4:火災保険の更新を入居者が怠っていた

防止策:更新契約書を送る際に「火災保険継続証明書のコピー」を一緒に提出してもらうよう依頼する。

自分でやる更新書類の作り方——テンプレ活用のポイント

更新手続きで使う主な書類は3種類です。すべてワードやGoogleドキュメントで作れます。

①賃貸借契約更新のご案内(通知書)

最初に送る書類。A4で1枚にまとめ、「契約期間満了のお知らせ」「更新後の条件」「返答の期限と方法」を記載。文体はですます調で丁寧に。

②賃貸借契約更新合意書(更新契約書)

本体の契約書。2通作成し、双方が署名・押印して1通ずつ保管。収入印紙は更新料受取証を兼ねる場合に200円が必要なケースあり。

③連帯保証人情報確認書

更新のタイミングで保証人の現況を確認するための書類。「保証人のお名前・現住所・連絡先・勤務先」を記入してもらう簡単な書式でOK。

DIY父さん的な更新手続きの効率化術

LINEで事前確認、郵送は最小限に

入居者全員とLINEで繋がっているので、正式な書類を送る前にLINEで「更新の意向を教えてください」と確認しています。「続けます」「退去します」の二択で回答してもらうだけで、無駄な書類作業が激減します。

更新料の振込先はひとつに絞る

ぼくは全入居者の家賃・更新料を同一の楽天銀行口座で受け取っています。振込人名義に「部屋番号+氏名」を記入してもらうルールにしているので、どの部屋の誰から入金されたかが一目でわかります。

更新管理表をスプレッドシートで管理

Googleスプレッドシートで「更新管理表」を作り、チェックボックスで進捗を可視化しています。列は「物件名・部屋番号・入居者氏名・契約開始日・満了日・更新通知期限・通知送付済・書類返送済・更新料入金済・保険確認済」。6棟・10室以上になると頭の中だけで管理するのは無理があります。


更新手続きを自分でやることは、節約だけでなく「入居者との関係を直接管理できる」という大きなメリットがあります。テンプレートさえ整えてしまえば毎年の作業。ぜひ一度、自分でやってみてください。

更新契約書のテンプレートや、自主管理に役立つ書式集については、下記からもご確認いただけます。

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