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仲介業者との関係構築法|空室が出るたびに優先して紹介してもらう方法

大家のリアル

空室を埋めるうえで、家賃設定やリフォームと同じくらい――いや、それ以上に効くのが「仲介業者との関係」です。同じ物件、同じ家賃でも、仲介業者があなたの物件を「優先して紹介してくれるか」「ついでに紹介する程度か」で、空室期間は何ヶ月も変わります。私は15年大家をやってきて、最初の数年は「物件さえ良ければ客はつく」と思っていました。でもそれは大きな勘違いでした。客付けは仲介業者の人間関係で決まる――この事実に気づいてから、私の空室期間は劇的に短くなりました。この記事では、仲介業者に優先紹介してもらうための具体的な関係構築法を、実体験ベースで公開します。

なぜ仲介業者との関係が空室を左右するのか

賃貸物件を探す入居者の多くは、SUUMOやアットホームで物件を見つけても、最終的には仲介業者の店舗を訪れ、担当者に「他にいい物件ありませんか?」と相談します。このとき、担当者が「実はこちらの物件もおすすめですよ」と紹介する物件が、あなたの物件かどうか。これが客付けの分かれ目です。担当者の頭の中に「この大家さんの物件は紹介しやすい」というポジションを取れているかどうかが、すべてを決めます。

仲介業者の担当者も人間です。たくさんある物件の中から、わざわざ手間をかけて紹介したくなるのは、「対応が早くて気持ちよく仕事ができる大家」の物件です。逆に、連絡がつかない、条件にうるさい、内見の調整がめんどう、という大家の物件は、無意識のうちに後回しにされます。物件のスペック競争では限界があっても、「紹介しやすさ」という土俵なら、努力次第でいくらでも差をつけられる。これが、私が15年で得た最大の学びです。

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第一印象で差をつける――最初の挨拶回り

新しく物件を取得したり、空室が出たりしたら、まずやるべきは仲介業者への挨拶回りです。メールや電話だけで済ませる大家が多いですが、私は必ず店舗に足を運びます。理由は、顔を見て話した相手のことは、担当者も記憶に残りやすいからです。手土産(菓子折り程度で十分)を持って訪問し、物件の概要と「ぜひお客様を紹介してください」という気持ちを直接伝えます。

挨拶回りで持っていくべきものは、(1)物件のマイソク(募集図面)、(2)室内・外観の写真、(3)物件の「売り」をまとめた一枚資料、です。特に重要なのが3つ目。担当者がお客様に説明しやすいように、「駅徒歩7分・南向き・室内洗濯機置場あり・ペット相談可」のように、セールスポイントを箇条書きにして渡します。担当者の仕事をこちらが先回りして助ける――この姿勢が「この大家さんは違う」という印象につながり、優先紹介の第一歩になります。私は新規物件のたびに、エリアの主要な仲介店3〜5軒を必ず回るようにしています。

レスポンスの速さがすべて――即レス体制の作り方

仲介業者から最も嫌われる大家は「連絡がつかない大家」です。逆に、最も愛される大家は「即レスの大家」です。お客様が内見を希望したとき、申込が入ったとき、条件交渉が必要なとき――仲介業者はその場でお客様を待たせています。ここで大家の返事が遅れると、お客様は他の物件に流れてしまう。だから、レスポンスの速さは客付けに直結します。

私が実践している即レス体制は次の通りです。

  • 内見の鍵対応をキーボックス化:いちいち鍵を貸し出さず、現地のキーボックスで内見できるようにする。これだけで内見のハードルが激減。
  • 条件交渉の「許容ライン」を事前に決めておく:「家賃は2,000円まで下げてOK」「フリーレント1ヶ月までOK」など、その場で即決できるよう判断基準を決めておく。
  • 連絡手段を担当者に合わせる:電話が早い人には電話、LINEが楽な人にはLINE。担当者のやりやすい方法に合わせる。
  • 申込が入ったら即審査開始:保証会社の審査を待たせず、すぐ動く。

特に効くのが2つ目の「許容ラインの事前決定」です。「家賃を1,000円下げてくれたら今すぐ決まります」と言われて、「ちょっと検討します」と持ち帰る大家と、「いいですよ、決めましょう」と即答する大家。仲介業者がまた紹介したくなるのは、間違いなく後者です。即決できる大家は、仲介業者にとって「成約しやすい=稼げる」相手なのです。

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広告料(AD)の使い方――払うべきか、いくらか

客付けを依頼する際、仲介業者に支払う「広告料(AD・客付け手数料)」をどう設定するかは、優先紹介に直結する重要なテーマです。ADは家賃の1〜3ヶ月分が相場で、これを多く出すほど、仲介業者にとってその物件を決めるインセンティブが高まります。下の表は、私のADと客付けの体感です。

AD設定 仲介業者の動き 適した状況
AD0(仲介手数料のみ) 積極性は低め 人気エリア・好条件物件
AD1ヶ月 標準的に紹介される 一般的な物件
AD2〜3ヶ月 最優先で紹介される 空室が長い・閑散期

私の戦略は、繁忙期(1〜3月)の好条件物件はAD1ヶ月、長期空室や閑散期の物件はAD2ヶ月、という具合にメリハリをつけることです。閑散期に空室1ヶ月分の家賃を失うくらいなら、AD1ヶ月を上乗せして即決してもらうほうが、トータルでは得です。AD2ヶ月で1ヶ月早く決まれば、実質コストはほぼゼロ。ADは「コスト」ではなく「空室期間を買い戻す投資」と捉えると、判断がブレません。ただしADを出すなら、その分「最優先で紹介してください」とはっきり伝えること。出すだけでなく、伝えてこそ効果が出ます。

長期的な信頼を築く――継続的な関係づくり

一度きりの挨拶やADだけでは、本当の優先紹介関係は築けません。大事なのは、長期的・継続的に「この大家さんとは気持ちよく仕事ができる」という信頼を積み上げることです。私が10年以上続けている関係づくりの習慣を紹介します。

  • 成約のたびにお礼を伝える:決めてもらったら、必ず担当者に直接お礼の連絡を入れる。
  • 年末の挨拶を欠かさない:年末に菓子折りを持って店舗を回り、一年のお礼を伝える。
  • 担当者の異動を把握する:仲介業者は異動が多い。新しい担当者には改めて挨拶し直す。
  • 無理を言わない・クレームをつけない:細かいことでいちいち文句を言う大家は敬遠される。
  • 支払い(AD・手数料)を約束通り早く行う:金払いのいい大家は信頼される。

これらは特別なことではありません。要は「人として気持ちよく付き合う」というだけのことです。しかし、これを徹底している大家は意外と少ない。だからこそ、当たり前のことを続けるだけで頭一つ抜けられます。私は付き合いの長い仲介店の担当者から「DIYさんの物件は紹介しやすいので、いつも優先して案内してます」と言ってもらえる関係を築きました。この一言を引き出せれば、空室の悩みは半分解決したようなものです。

複数の仲介業者を使い分ける戦略

一社だけに依存するのはリスクです。私はエリアごとに複数の仲介業者と関係を持ち、使い分けています。理由は3つあります。第一に、業者によって得意な客層が違う(学生に強い、ファミリーに強い、外国人に強い等)。第二に、一社が客付けに苦戦しても他社でカバーできる。第三に、複数社に出すことで「他にも声をかけている」という適度な競争意識が働く。

ただし、闇雲にたくさんの業者に出せばいいわけではありません。多すぎると、どこも「自分が決めても他社に取られるかも」と本気度が下がります。私の経験では、1物件あたり3〜5社が最適です。そのうち1〜2社を「メイン」と位置づけ、特に手厚い関係を築く。残りを「サブ」として広く募集をかける。このバランスが、空室を最速で埋めるコツです。なお、業者に「専任媒介で任せてほしい」と言われることもありますが、賃貸の場合は基本的に一般媒介(複数社に依頼可)で広く募集するほうが、私の経験では決まりが早いです。

まとめ:客付けは「人間関係」で決まる

仲介業者との関係構築法について整理します。①客付けは物件スペックより仲介業者の優先紹介で決まる。②新規物件・空室が出たら店舗へ挨拶回りに行く。③担当者が紹介しやすい資料を先回りして用意する。④レスポンスの速さと即決できる体制が最重要。⑤ADは空室期間を買い戻す投資と捉え、状況に応じてメリハリをつける。⑥お礼・年末挨拶など継続的な信頼づくりを欠かさない。⑦3〜5社を使い分け、メインとサブを設定する。

結局、賃貸経営は人と人との商売です。仲介業者の担当者に「この大家さんのために頑張ろう」と思ってもらえるかどうか。それが空室を埋める最大の鍵だと、15年やってきて確信しています。物件にお金をかける前に、まずは仲介業者との関係を見直してみてください。きっと空室期間が変わるはずです。

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