「リノベ費用がわからない」問題を解決する
築古物件を投資対象として検討するとき、最大の壁のひとつが「リノベ費用がいくらかかるかわからない」という問題です。ネットで調べても「1室30〜150万円」という幅のある情報しか出てこず、実際に動くまで金額感がつかめません。この不確実性のせいで、利回りが高い優良物件を見送ってしまう初心者大家を何人も見てきました。
本記事では、私が実際に3棟の築古リノベを手がけた際の「実費・工期・工事内容」を全て公開します。2棟は業者委託、1棟はDIY+部分委託という形です。実際の数字を見ることで、読者の皆さんが次のリノベを計画する際の参考になれば幸いです。
🔨 築古リノベに役立つ施工ガイド・DIY本(Amazon)
実費公開:棟A(築32年木造アパート・4戸)
物件概要:築32年、木造2階建て・4室(各20〜25㎡)、購入価格980万円、購入時全室空室。
リノベ前の状態:外壁の汚れ・ひび割れあり、内部は壁紙剥がれ・床の傷み、キッチン・浴室の経年劣化、給湯器は全台交換時期。
| 工事内容 | 費用(4室分) | 工期 |
|---|---|---|
| 外壁塗装(全棟) | 145万円 | 10日 |
| 室内クロス張替(4室) | 64万円(1室16万円) | 各2日 |
| CF床張替(4室) | 36万円(1室9万円) | 各1日 |
| 給湯器交換(4台) | 72万円(1台18万円) | 各半日 |
| キッチン交換(4台) | 80万円(1台20万円) | 各1日 |
| 浴室清掃・パネル補修 | 24万円(1室6万円) | 各半日 |
| その他雑工事・廃材処分 | 35万円 | - |
| 合計 | 456万円 | 全工程35日 |
結果:リノベ後2ヶ月で全4室が埋まりました。家賃は1室5.5万円→7万円(+27%)に設定し、年間家賃収入は264万円→336万円に増加。リノベ費用456万円の回収年数は約2.4年でした。
🏠 空室物件、いくらで貸せるか無料査定
築古でも空室期間が長くても、借上げ実績1万室の【クロスハウス】なら収益化可能。民泊・シェアハウス・アパマンション、相談料0円・30秒で無料査定が依頼できます。
実費公開:棟B(築28年軽量鉄骨・6戸)
物件概要:築28年、軽量鉄骨2階建て・6室(各25〜30㎡)、購入価格1480万円、購入時3室空室。入居中の3室はリノベを見送り、退去のたびに1室ずつリノベを実施。
空室3室のリノベ実費(1室あたり平均):
- クロス張替:14万円
- CF床張替:9万円
- システムキッチン交換:22万円
- 洗面化粧台交換:8万円
- 給湯器交換:16万円
- 照明器具交換:4万円
- 塗装・清掃:6万円
- 1室合計:約79万円
3室合計:約237万円、工期は各室約1週間。DIY(クロス・CF)を混ぜることで業者委託のみより1室あたり約12万円コストダウンできました。入居後の家賃は1室6万円→8万円に改定(+33%)。
実費公開:棟C(築38年木造一戸建て・1棟)
物件概要:築38年、木造平屋・3LDK(延床60㎡)、購入価格420万円、購入時空室。DIY比率を高くして費用を抑えることを目標にした物件。
棟CはほぼDIYで実施しました。
- クロス張替(全室DIY):材料費9万円(業者委託なら30〜40万円相当)
- CF張替(全室DIY):材料費5万円(業者委託なら15〜20万円相当)
- 外壁塗装(DIY):材料費8万円(業者委託なら80〜120万円相当)
- 玄関ドア塗装・交換(DIY):2万円
- 給湯器交換(業者委託):15万円
- トイレ・洗面台交換(業者委託):25万円
- 水道管一部更新(業者委託):18万円
- 廃材処分・清掃(DIY):3万円
- 合計:85万円(作業時間:延べ30日間)
業者委託のみなら推定200〜280万円かかる工事を85万円で完了。DIYによる節約額は約115〜195万円でした。ただし作業時間(延べ30日間)を時給3000円で換算すると72万円のコスト換算になるため、「純粋な節約」は43〜123万円程度です。
リノベ費用の相場感:工事種別ごとの単価表
3棟の実費から導いたリノベ費用の目安をまとめます。あくまで参考値ですが、見積もりの妥当性判断に使えます。
| 工事種別 | 業者委託(相場) | DIY(材料費) |
|---|---|---|
| クロス張替(1室25㎡) | 10〜18万円 | 2〜4万円 |
| CF床張替(1室25㎡) | 7〜12万円 | 1〜3万円 |
| 外壁塗装(木造2階建て1棟) | 80〜180万円 | 5〜15万円(材料のみ) |
| 給湯器交換(16〜20号) | 15〜25万円 | 要資格・DIY不可 |
| システムキッチン交換 | 18〜40万円 | 一部DIY可(設置は要専門) |
| 洗面化粧台交換 | 8〜15万円 | 5〜8万円(DIY可) |
工期の目安と収益逃失コストの計算
リノベ中は家賃が入りません。工期の長さは「機会損失(収益逃失)」として計算する必要があります。
例:家賃7万円の物件でリノベ工期が60日(2ヶ月)の場合 → 収益逃失:14万円(7万円×2ヶ月)
この収益逃失をリノベ費用に加算して「実質投資コスト」として計算してください。工期を短縮することは「家賃を早く取れる」という意味でも重要です。複数業者を同時に入れて工期を短縮することや、DIY作業を事前に準備しておくことで工期圧縮が可能です。
物件購入判断の収支計算シート+使い方完全解説
本記事で紹介した「実質利回り計算」をワンクリックで自動化する Excelシート+判断基準をnoteで公開しています。実際に5棟以上の購入判断に使った完成版です。
まとめ:築古リノベのコスト設計3原則
- リノベ費用は「見積もりの1.3〜1.5倍のバッファ」を持つ(隠れた問題が必ず出る)
- 1室あたりの最低リノベ費用:クロス+CF+水回りで50〜80万円が目安
- DIY比率を上げることで材料費ベースで業者費用の30〜50%に抑えられる
- 工期中の収益逃失を「実質投資コスト」に加算して計算する
- リノベ後の家賃上昇幅でリノベ費用の回収年数を計算し、10年以内が合理的な判断基準
「リノベ費用が怖くて築古に手を出せない」という方は、今日の実費データを参考に具体的な収支シミュレーションを作ってみてください。数字が明確になると、判断に踏み切れるようになります。







