私は大家歴15年、収益不動産を複数棟(9棟)保有しながら、原状回復やリフォームを業者に頼らずDIYでこなしている兼業大家です。日中は機械設計エンジニアとして働き、朝晩と週末に自宅の一室で入居者対応・帳簿付け・図面作成・見積比較をしています。この「自宅の一室を管理業務に使う」状態こそ、家事按分の出番です。結論から言うと、私の場合、自宅家賃相当のうち約18%、電気代の約22%、スマホ・光回線の約40〜50%、自家用車の約35%を不動産所得の経費として計上しています。合計すると年間で概算60万〜70万円の経費増、税率(所得税+住民税)を合わせて約30%と見れば、年18万〜21万円の節税効果です。ただしこの数字は「なんとなく半分」で決めたものではなく、面積・時間・使用実態の3つの基準を証拠で裏付けた結果です。本記事では、家事按分を税務署に説明できる形で組み立てる実務手順を、機械設計者らしく数字と判断軸で解説します。なお税制・制度は2026年時点の一般的な理解に基づくもので、個別の判断は税理士等の専門家に確認してください。
家事按分の基本と「合理的な基準」という考え方
家事按分とは、自宅家賃・水道光熱費・通信費・車両費のように、生活と事業の両方に使う支出(家事関連費)を、事業に使った割合だけ経費に振り分ける手続きです。兼業大家がつまずくのは「割合を自分で決めていい」という自由度の高さです。自由だからこそ、根拠のない数字は税務調査で真っ先に狙われます。私は設計の現場で「寸法には必ず根拠を書け、勘で描いた線は図面ではない」と叩き込まれてきました。按分も同じで、割合という数字の裏に測定・記録・計算の3点セットがなければ、それは経費ではなく願望です。
按分基準は面積・時間・使用実態の3種類
按分の基準は大きく3つに分かれます。第一が床面積按分で、事務専用に使う部屋の面積を自宅総面積で割る方法。家賃・固定資産税・減価償却のように「空間を占有すること」に対して発生する費用に向きます。第二が時間按分で、1日24時間や1週間168時間のうち業務に使った時間の割合を出す方法。電気やスマホのように「使った時間」に比例する費用に向きます。第三が使用実態按分で、走行距離・通話件数・データ通信量など、実際の使用量そのものを測って割る方法。もっとも説得力が高い一方、記録の手間が要ります。どの費用にどの基準を当てるかは費用の性質で決まり、1つの費目に複数基準を併用する場合もあります。
私が実際に採用している基準の割り当て
参考までに、私の割り当てを整理します。家賃相当は床面積按分、電気は面積按分をベースに使用時間で微調整、水道・ガスは業務でほとんど使わないため計上せず、スマホと光回線は通話・通信の実態按分、自家用車は走行距離按分です。「全部半分」で揃えるほうが楽ですが、それは調査官から見れば「根拠のない一律按分」に映ります。費目ごとに性質の合う基準を選び、その基準の測定値を記録として残す。この地道さが、いざ質問されたときの一番の防御になります。
💡 判断のポイント
按分率そのものより「その率をどう測ったか」が問われます。20%でも根拠が明確なら通り、50%でも根拠が曖昧なら否認されうる。数字ではなく測定プロセスを整えるのが先決です。
床面積按分:事務専用室の面積を証拠化する
兼業大家の按分でもっとも金額が大きいのが、自宅家賃(賃貸)または持ち家の減価償却・固定資産税に対する床面積按分です。計算式は単純で、事務専用室の面積 ÷ 自宅総面積、これだけです。問題は分子と分母をどう確定し、どう証拠化するかにあります。
分母と分子の取り方と間取り図での証拠化
私の自宅は総床面積が約82m²の賃貸マンションです。このうち約6畳の一室(約9.9m²)を事務専用として使い、そこに図面机・PC・プリンター・入居者ファイルの棚を置いています。床面積按分率は 9.9 ÷ 82 ≒ 12.1% となります。ここで重要なのが「専用」であること。生活にも使う寝室兼書斎では、その部屋の中をさらに時間や面積で割る必要が出て説明が複雑になります。私は間取り図をコピーし、事務専用室を赤枠で囲み、各部屋にm²数を書き込んだA4資料を作成して帳簿と一緒に保管しています。設計者の習性で寸法を入れた図を残すのですが、これが調査時に「この部屋を事務に使っています」と一目で示せる証拠になります。廊下・トイレ・玄関など共用部を分母に含めるかは、事務室からの動線で業務に付随して使う分を按分に含める考え方もあり、私は保守的に事務室単独の面積だけを分子に置いています。
共用スペースをどこまで含めるか
実務では、事務専用室に加えて打ち合わせや資料閲覧に使うリビングの一角、入居者からの荷物や工具を一時保管する土間・納戸を部分的に含めるケースもあります。この場合は「リビング20m²のうち業務使用は約2m²」といった面積測定と、なぜその面積かの説明メモが要ります。私はここを欲張らず、明確に専用と言える事務室に絞ることで、家賃按分率を約12%と控えめにしています。前述の合計18%は、この床面積按分12%に後述の按分で経費化する共益費・更新料相当を上乗せした概算です。控えめにする理由は次のセクションの「50%超問題」に直結します。
電気・水道・ガス:面積と時間、どちらで按分するか
水道光熱費は「面積按分でいくか、時間按分でいくか」で迷いやすい費目です。判断軸はシンプルで、その費用が空間の占有に比例するか、使用時間に比例するかで決めます。
電気は面積ベース+使用時間での補正
電気代は、事務室の照明・PC・プリンター・エアコンという明確な業務消費があるため、私は面積按分12%をベースにしつつ、実際の使用時間で上方修正しています。平日は朝1時間・夜2時間、週末は1日4時間ほど事務室で作業するため、週あたり約23時間。家全体の電力を使う時間帯と重なる部分を差し引いても、事務室は在宅中つけっぱなしのリビングほど連続稼働しないため、私は電気の按分率を約22%に設定しています。根拠として、事務室で使う機器の消費電力(PC約120W、プリンター待機含む平均約30W、照明約40W、エアコン稼働時平均約500W)と月間稼働時間を掛けた概算消費電力量を、検針票の総使用量と比較したメモを残しています。設計の消費電力計算と同じ要領で、ワット数×時間の積み上げで裏を取ると、税務署にも説明しやすくなります。具体的に計算すると、PC120W×週23時間×4.3週で月約11.9kWh、照明40Wで同約4.0kWh、エアコンは夏冬の稼働月で平均500W×月30時間として約15kWh、プリンター待機を含めて月合計はおよそ32〜33kWh。わが家の月間総使用量が約260〜300kWhですから、事務室起因は概算で11〜13%になります。ここに、事務室のエアコンを入れると家全体の空調負荷が下がる分の実感や、業務中は他室の照明を落として事務室に集約している運用を加味し、面積按分12%とのバランスを取って22%に置いています。数字の作り方を残しておけば、「なぜ面積比より高いのか」と問われても、機器消費の積み上げという一次データで即答できます。
水道・ガスは原則計上しない判断
一方、水道とガスは業務との関連がほとんどありません。事務作業で水道を使うのは手洗い程度、ガスに至っては業務利用ゼロです。ここで無理に10%などと計上すると、かえって「按分全体がいい加減」という印象を与えます。私は水道・ガスは0%、つまり計上しないと決めています。関連性の薄い費目を潔く外すことが、関連性の濃い費目の按分率の信頼性を高めるという逆説的な効果を生みます。実際、ある年に事務室で入居者向けの簡易な打ち合わせスペースを設け、給湯・お茶出しに水道を使う頻度が増えた際には、その分だけ水道の一部(約5%)を計上に加えましたが、これも「実態が変わったから率を変えた」という説明とセットにしています。判断軸を一般化すると、按分してよいかは「その支出がなければ事業が回らないか」で見ます。電気はPCと照明がなければ帳簿も図面も作れないので明確に必要、水道・ガスは事業の遂行に不可欠とは言い難い。この必要性の強弱を費目ごとに一度言語化しておくと、税務署に対しても「なぜ電気は計上して水道は外したのか」を一貫した論理で説明できます。迷ったら計上しない、というのが私の保守的な原則で、削った数万円より按分全体の信頼性のほうが価値が高いと考えています。
| 費目 | 推奨按分基準 | 私の按分率(例) | 主な根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 自宅家賃 | 床面積按分 | 約12% | 間取り図+m²計算 |
| 電気 | 面積+時間補正 | 約22% | 機器消費電力×稼働時間メモ |
| 水道・ガス | 原則計上せず | 0〜5% | 業務関連が薄いため |
| スマホ・光回線 | 使用実態按分 | 約40〜50% | 通話履歴・業務時間記録 |
| 自家用車 | 走行距離按分 | 約35% | 運転記録・給油レシート |
スマホ・光回線:通話履歴と業務時間で裏付ける
通信費は、按分率を高めに取りたくなる費目の代表格です。だからこそ実態の裏付けが物を言います。私はスマホと光回線を通話履歴・業務利用時間で按分し、スマホ約45%、光回線約50%を計上しています。
スマホは通話履歴と業務メール・アプリ利用で按分
私のスマホは入居者・管理会社・リフォーム業者・DIY資材店との連絡に日常的に使います。按分の裏付けとして、まずキャリアの通話明細を3か月分ダウンロードし、業務関連の番号への発着信件数と通話時間を集計しました。ある月は総通話時間約180分のうち業務関連が約100分、比率にして約56%。ただし通話だけでなくSNSや私用のデータ通信もあるため、通話比率をそのまま採用せず、通話・業務チャット・物件写真の撮影送信・工事進捗の記録といった業務利用の実感も加味して、保守的に45%に落としています。集計は毎月やる必要はなく、私は年に3〜4回サンプル月を取り、その平均で年間の按分率を固定しています。設計でいう抜き取り検査の発想で、全数記録しなくても代表サンプルで妥当性を示せれば十分です。
光回線は在宅業務時間の割合で按分
光回線は、事務室のPCから物件管理システム・オンライン申込・図面のクラウド保存・入居者募集サイトの更新に使います。家族の動画視聴やゲームと共用のため、私は在宅時のネット利用時間のうち業務に使う割合を大まかに見積もり、週の家庭内ネット利用のうち業務が半分程度を占めるとして50%に設定しています。ここは通話明細のような客観データが取りにくいため、業務でアクセスするサービスのログイン履歴や、募集サイトの更新日時の記録を補助資料として残しています。数字の精度より「なぜその率にしたか」を一貫して説明できるかが重要です。
⚠️ 失敗談
大家を始めて数年目、私はスマホ代を「仕事でよく使うから」と感覚だけで80%計上していました。当時は物件も少なく通話実態も乏しかったのに高率で、後から自分で見返して冷や汗をかきました。幸い調査は入りませんでしたが、翌年から通話明細を取って実態ベースに引き直し、45%まで下げました。数字を先に決めて根拠を後から探す順序は危険で、必ず「測ってから決める」に改めるべきでした。
自家用車:走行距離按分と運転記録の付け方
自家用車の按分は、私にとって金額的にも記録的にも重い項目です。物件の巡回・空室確認・DIY資材の運搬・管理会社や金融機関への訪問に車を使うため、ガソリン代・車検費用・自動車保険・自動車税・駐車場代を走行距離按分で計上しています。基準は明快で、業務走行km ÷ 総走行kmです。
運転記録(運行記録)の具体的な付け方
私は車のダッシュボードに小さなノートを置き、業務で走った日は「日付・行き先(物件名や店名)・目的・出発時オドメーター・帰着時オドメーター・往復km」を1行で記録しています。たとえば「7/12 A物件 空室確認 12,340→12,378 往復38km」という具合です。これを1年積み上げると、ある年は総走行約9,800kmのうち業務走行が約3,400km、按分率は約35%になりました。年末にオドメーターの年間増加量(総走行)と、ノートの業務kmの合計を突き合わせれば、按分率が機械的に出ます。設計の稼働記録と同じで、こまめな一次記録さえあれば、年度末の集計は割り算一発です。逆にこれを付けていないと、ガソリン代の按分は根拠ゼロになります。
ガソリン・車検・保険への率の当てはめ
算出した35%は、ガソリン代だけでなく車検費用・自動車保険料・自動車税・タイヤ交換費など、車の維持に共通してかかる費用に一律で当てはめます。年間のガソリン代が約15万円なら約5.25万円、2年に一度の車検が約12万円なら年割り6万円の35%で約2.1万円、自動車保険料が年約6万円なら約2.1万円、自動車税約3.6万円なら約1.26万円、といった具合に積み上がり、車両関連だけで年間10万円を超える経費になります。ETC履歴や給油レシートも保管し、業務目的の高速代は往訪記録と紐づけておきます。ここで注意したいのが、通勤(本業の会社への通勤)は不動産業務ではないので業務kmに含めないこと。混同すると按分率が不自然に膨らみ、否認の火種になります。もう一つ、DIY資材の運搬は不動産業務の色が濃い一方、途中でスーパーに寄って私用の買い物をした日は、その区間を私用として除くか、微妙なら業務kmに入れないのが安全です。私は迷った区間は業務に含めない運用にしており、その結果として按分率は実感よりやや低めの35%に落ち着いています。低めに出ることは、否認リスクの観点ではむしろ好ましいと割り切っています。
按分率50%超が否認されやすい理由と客観資料
兼業大家の按分でもっとも税務署が敏感なのが「事業割合が50%を超える費目」です。専業でない以上、生活のほうが主で事業が従、という前提が働きます。この前提を覆すには、単なる主張ではなく客観資料が要ります。
なぜ50%超が狙われるのか
本業を別に持つ兼業大家が、自宅の一室と1台の車、1台のスマホを「半分以上は不動産事業に使っている」と言えば、常識的に見て不自然です。私自身、電気22%・家賃12%と控えめなのは、この不自然さを避けるためでもあります。ただし50%超が絶対にダメというわけではありません。たとえば専用回線を業務だけに引いている、専用のスマホを2台目として業務専用に持っている、といった「専用」の実態があれば、その費目は80%でも100%でも通り得ます。境目は率の高さそのものではなく「専用性の有無」と「実態の裏付け」です。私は業務が忙しくなった年に、業務連絡用の2台目スマホを契約し、その端末代と通信費は100%計上、私用と兼ねる1台目は45%、と分けています。分けることで各々の率の説明が明快になります。
事業割合を客観的に示す資料の作り方
50%を超える、あるいは超えないにしても率の根拠を強くしたいなら、次の資料を揃えます。第一に測定記録(面積のm²計算、走行kmノート、通話明細)。第二に業務実態の記録(入居者対応の件数、内見立会いの回数、DIY作業の日数)。第三に按分の計算過程を書いたメモ(なぜこの率にしたか)。私は保有物件が複数棟あり、年間の入居者対応や原状回復の作業日数がそれなりに積み上がるため、「事業の実体があること」自体は説明しやすい立場です。ここが1棟だけの新米大家との違いで、事業規模が小さいほど高率按分の説得力は下がります。自分の事業規模に見合った率かを一度立ち止まって考えるのが、否認リスクを下げる最大のコツです。
💡 判断のポイント
「率が高いから否認される」のではなく「率に見合う専用性・実態がないから否認される」。50%を超えたい費目は、専用化(業務専用回線・専用端末・専用スペース)を先に作り、その専用性を証拠にする。これが最短の正攻法です。
持ち家の場合:減価償却・固定資産税・ローン利息の按分
ここまでは賃貸を前提にしましたが、持ち家で自宅兼事務所とする場合は論点が増えます。家賃という単純な費用の代わりに、建物の減価償却費・固定資産税・火災保険・住宅ローンの利息部分を、それぞれ按分計上することになるためです。
減価償却と固定資産税の按分
持ち家の建物取得価額を法定耐用年数で割った減価償却費、そして固定資産税は、いずれも床面積按分で事業割合分を経費化します。事務専用室が総床面積の12%なら、減価償却費と固定資産税の12%が不動産所得の経費です。土地は減価償却できないため、建物と土地を分けて計算する点に注意します。私の知人の兼業大家は、持ち家の1室を管理事務に使い、建物減価償却費の年約90万円のうち約13%(約11.7万円)、固定資産税約18万円のうち約13%(約2.3万円)を計上していました。金額が大きいだけに、m²の根拠図面は賃貸以上に丁寧に残す必要があります。
住宅ローン利息の按分と見落としやすい注意点
住宅ローンの返済のうち、経費化できるのは利息部分だけで、元本返済は経費になりません。この利息のさらに事業割合分(床面積按分)が計上対象です。ここで多くの人が見落とすのが、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)との関係です。自宅の一部を事業に使うと、その事業割合分は住宅ローン控除の対象から外れる場合があり、事業割合が一定以下なら全額控除できる特例的な扱いがある年もあります。減価償却の計上と住宅ローン控除は、片方を取ればもう片方が減るというトレードオフになり得るため、どちらが有利かは所得やローン残高で変わります。2026年時点の制度でも細部は複雑で、持ち家按分は必ず税理士に試算してもらうことを強くすすめます。私は賃貸住まいのためこの論点を直接は使いませんが、持ち家の相談を受けるたびに「利息と元本を混同しないこと」「ローン控除との有利不利を必ず両にらみで計算すること」の2点だけは念押ししています。
按分率を毎年一定に保つ理由と、変更時の説明
最後に、按分の運用で見落とされがちな「継続性」の話をします。按分率は、毎年コロコロ変えるものではありません。理由は2つあります。
継続性が信頼性を生む
第一に、同じ生活・同じ事業をしているなら、按分率も基本的に一定であるはずだからです。前年は電気30%、今年は電気15%、来年また28%、と揺れると「利益が出た年だけ経費を増やしている」と疑われます。私は電気22%・家賃12%・車35%・スマホ45%・光50%という率を、実態が変わらない限り複数年にわたって固定しています。設計でいう規格化と同じで、一度妥当な基準を決めたら、みだりに動かさないことが管理コストと信頼性の両面で有利です。確定申告のたびに前年の按分率と計算根拠を見返し、同じ資料体系で更新するルーティンにしておけば、作業も安定します。
変更するときは合理的説明とセットで
第二に、変えてはいけないわけではなく「変えるなら理由が要る」ということです。実態が変わったときは、むしろ率を変えるべきです。私の場合、業務用の2台目スマホを契約した年はスマホの按分構成を組み替えましたし、事務室を6畳から8畳の部屋に移した年は床面積按分を12%から約16%に引き上げました。このとき必ず「引っ越しにより事務専用室の面積が9.9m²から約13m²に増えたため、按分率を改定した」という一文と、新しい間取り図をセットで残しています。変更の事実・理由・新しい計算根拠の3点を記録しておけば、率が動いても不自然さは生じません。逆に、理由を残さずに率だけ変えると、継続性を欠いた恣意的な操作と受け取られます。
兼業大家が今日から始める按分チェックリスト
実務の締めくくりに、私が毎年使っているチェック項目を挙げます。第一に、事務専用室の面積を測り間取り図に赤枠とm²を記入したか。第二に、電気は機器の消費電力×稼働時間のメモがあるか。第三に、スマホは年3〜4回のサンプル月で通話明細を集計したか。第四に、車の運転記録ノートから業務kmと総kmを集計し按分率を出したか。第五に、50%を超える費目に専用性の裏付けがあるか。第六に、持ち家なら利息と元本を分け、ローン控除との有利不利を試算したか。第七に、前年と同じ率か、変えたなら理由と新根拠を記録したか。この7点を毎年の申告前に潰すだけで、按分の質は大きく変わります。
まとめ:按分は「測ってから決める」に尽きる
兼業大家の家事按分は、床面積・時間・使用実態という3つの基準を費目の性質に合わせて選び、測定・記録・計算の3点セットで裏付ける作業です。私の実例では、家賃約12%・電気約22%・スマホ約45%・光回線約50%・車約35%という控えめかつ根拠のある率で、年間60万〜70万円規模の経費計上、約18万〜21万円の節税を実現しています。ポイントは、率の高さを競うのではなく、率に見合う専用性と実態の裏付けを先に用意すること。50%超を狙うなら専用化から入り、持ち家なら利息と元本・ローン控除の有利不利を必ず両にらみで試算する。そして一度決めた率は継続し、変えるなら理由と新根拠を残す。数字を先に決めて根拠を後付けする順序は、私自身が過去に冷や汗をかいた失敗の元です。「測ってから決める」――設計でも按分でも、この順序を守ることが、税務署にも自分にも説明できる経費の作り方です。なお本記事の割合や制度理解は2026年時点の一般的な内容であり、個別の適用可否や最新の取扱いは、必ず税理士等の専門家に確認したうえで判断してください。
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