私は大家歴15年、収益不動産を複数棟(9棟)保有しながら、原状回復もリフォームも業者に頼らず自分の手で進めてきた機械設計エンジニアです。物件を増やしていく過程で必ずぶつかるのが「利益が出るほど税金で持っていかれる」という壁でした。私の場合、家賃収入が年間2,000万円を超えたあたりから所得税・住民税の合計負担率が体感で35%を超え、キャッシュフローの伸びが鈍りました。そこで本気で取り組んだのが、配偶者や子に管理・清掃・経理を担ってもらい、青色事業専従者給与や外注費として所得を分散する手法です。結論から言えば、専従者給与を月8万円(年96万円)適正に設定するだけで、私の限界税率20%・住民税10%のケースで年間およそ25万〜28万円の税負担が下がりました。ただしこれは「実際に働いた実態」と「事前の届出」がそろって初めて認められるもので、書類だけ整えて否認された事例を私は同業者から何件も聞いています。この記事では、届出の期限と金額設定の考え方、労務対価としての適正額の根拠づくり、扶養控除とのトレードオフ計算、生計を別にする家族への外注費、証拠の残し方、白色申告との違い、源泉徴収などの手続きまで、税務調査で否認されないための実務を、私が実際にやっている手順と数字で具体的に解説します。なお税制は2026年時点の内容であり、個別の判断は必ず税理士等の専門家に確認してください。
青色事業専従者給与の届出と「記載金額の上限」という仕組み
所得分散の入口は、青色申告をしていることが大前提です。そのうえで配偶者や子に給与を払うには、税務署へ「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出しておく必要があります。ここを飛ばすと、いくら実際に働いてもらっても経費として認められません。私が最初にこの制度を使ったとき、届出の存在を知らずに1年分の給与を経費計上しようとして、税理士から「それは通りません」と止められた苦い記憶があります。
提出期限は原則3月15日
届出書の提出期限は、その年の3月15日です。1月16日以降に新たに専従者を使い始める場合は、その日から2か月以内が期限になります。つまり「今年から妻に経理を任せて給与を払おう」と思ったら、遅くとも3月15日までに届け出ておかなければ、その年は経費にできません。私は毎年2月の確定申告準備と同時に、翌年分の専従者給与の見直しと届出の要否をチェックするようにしています。年度をまたいでからでは間に合わないからです。この「事前届出」という性格が、専従者給与の最大の落とし穴です。後から「働いていたことにする」ことができない設計になっているのです。
届出金額は「上限」であって「確定額」ではない
届出書には支給する給与の金額(または上限)を記載します。ここで多くの人が誤解するのが、「届け出た金額を必ず満額払わなければならない」という思い込みです。実際には、届出額は「この範囲内なら経費にできる」という上限を意味します。たとえば月10万円と届け出ておけば、実際の支給が月8万円でも問題ありません。逆に、届出額が月8万円なのに実際に月12万円払っても、超えた分は経費として認められません。私は業務量が繁忙期と閑散期で変動する物件を持っているため、届出は月12万円と少し余裕を持たせ、実支給は業務量に応じて月6万〜10万円で調整しています。届出は上限、実支給は労務実態に合わせる。この二層構造を理解しておくと運用の自由度が大きく上がります。
💡 判断のポイント
届出額は「天井」を決める作業、実支給は「労務の対価」を決める作業だと分けて考えると迷いません。天井は少し高めに設定しておき、実際の支給は業務内容と時間から逆算する。届出額を実支給とぴったり同額にする必要はなく、むしろ余白を持たせておくほうが変動に対応できます。
もう一点、専従者として認められるには「その年を通じて6か月を超える期間、その事業に専ら従事している」ことが要件です。他社にフルタイム勤務している配偶者は、原則として専従者にできません。私の妻はパート勤務でしたが、専従者給与を始めるタイミングでパートを整理し、賃貸業の経理・入居者対応・清掃手配に専念する形へ切り替えました。この「専ら従事している」という実態が後の調査でも問われるため、勤務の掛け持ち状況は必ず整理しておくべきです。届出の書き方自体は難しくありませんが、この専従性の要件を満たしているかの事前確認のほうがはるかに重要だと私は考えています。
労務の対価として適正な金額をどう根拠づけるか
専従者給与で最も否認リスクが高いのが「金額の妥当性」です。税務署が見るのは「その仕事に対して、赤の他人を雇ったら同じ金額を払うか」という一点に尽きます。身内だからと業務実態に対して不相応に高い給与を払うと、過大部分は経費として否認されます。機械設計の仕事では、部品のコストを「材料費+加工工数×レート」で積み上げて見積もるのが当たり前ですが、専従者給与もまったく同じ発想で組み立てられます。
業務内容・時間・世間相場の三要素で積み上げる
私が金額の根拠として整理しているのは、次の三要素です。第一に業務内容の洗い出し。経理入力、家賃入金確認、督促連絡、入居者からの問い合わせ対応、清掃手配、リフォーム業者との日程調整、物件写真の撮影などを一覧化します。第二に、それぞれの作業時間の見積もり。私の場合、経理関連で月およそ15時間、入居者対応と清掃手配で月10時間、その他で月5時間、合計おおむね月30時間です。第三に、世間相場の時給。経理事務の一般的な時給を1,300円、簡単な管理業務を1,200円程度と置くと、月30時間で概算3万9,000円前後になります。これを基準に、繁忙期の変動を加味して月4万〜8万円のレンジで運用しています。この積み上げ表を作っておくと、調査で金額の根拠を問われたときに即答できます。
金額レンジの目安と積み上げの実例
| 業務区分 | 月あたり時間 | 想定時給 | 月額換算 |
|---|---|---|---|
| 経理・記帳・入金確認 | 15時間 | 1,300円 | 19,500円 |
| 入居者対応・清掃手配 | 10時間 | 1,200円 | 12,000円 |
| 写真撮影・業者調整 | 5時間 | 1,200円 | 6,000円 |
| 合計(基準) | 30時間 | – | 37,500円 |
この表はあくまで私のケースの一例です。保有棟数や入居者数、管理会社への委託範囲によって適正額は大きく変わります。管理をすべて外部の管理会社に任せていて、家族が実質的に何もしていないのに給与だけ払う、というのは最も危険なパターンです。私は物件の一部を自主管理にして、実際に妻が動く業務領域を確保したうえで給与を設定しています。逆に言えば、給与を払いたいなら、それに見合う実務を家族に本当に担ってもらう体制づくりが先です。金額から入るのではなく、業務から入る。これが機械設計でいう「要求仕様から設計する」のと同じ順序で、私が徹底している考え方です。
⚠️ 失敗談
駆け出しの頃、節税額を最大化したくて業務実態を詰めないまま妻に月15万円の給与を設定したことがありました。顧問税理士から「この業務量では月5万円が上限。差額の月10万円は否認される可能性が高い」と指摘され、慌てて金額を下げました。実態を作る前に金額を先に決めると、必ずどこかで破綻します。給与額は業務量の後から決めるものだと、この件で骨身に染みました。
専従者と配偶者控除・扶養控除のトレードオフ計算
ここは見落とすと逆に損をする重要ポイントです。青色事業専従者給与を支払うと、その家族は配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除の対象から外れます。「給与を経費にできて得した」と思っても、控除がなくなった分だけ本人の課税所得が増えるため、両者を比較して初めて本当の得失が分かります。私は制度を使い始める前に、必ずエクセルで両パターンを試算します。
控除を捨ててでも専従者給与が有利になる条件
配偶者控除は2026年時点で最大38万円(納税者本人の所得により逓減・消失)、扶養控除は一般で38万円です。仮に配偶者控除38万円を捨てて、代わりに専従者給与を年96万円払うとします。私の限界税率が所得税20%・住民税10%の合計30%だとすると、経費が96万円増える効果は96万円×30%=約28.8万円の減税。一方で失う配偶者控除38万円分の減税効果は38万円×30%=約11.4万円。差し引き、専従者給与のほうが年17万円あまり有利になります。ただしこれは私自身の限界税率が高いから成り立つ計算で、税率が低い層では逆転します。
数字で見る損益分岐
| 比較項目 | 配偶者控除を使う | 専従者給与96万円 |
|---|---|---|
| 本人の課税所得を減らす額 | 38万円(控除) | 96万円(経費) |
| 本人側の減税(税率30%) | 約11.4万円 | 約28.8万円 |
| 受け取る家族の所得税 | 0円 | 給与所得控除後ほぼ0円* |
| 差引の有利さ | 基準 | 約17万円有利 |
*年96万円の給与は給与所得控除(最低55万円)を差し引くと給与所得は41万円となり、基礎控除の範囲内で本人の所得税は実質かかりません。ただし住民税は自治体により年100万円前後から課税されるため、給与額を年100万円未満に抑えると住民税も回避しやすくなります。私はこの「住民税の壁」を意識して、専従者給与を年96万円(月8万円)に設定することが多いです。さらに社会保険の扶養や配偶者の年金・健康保険の扱いも絡むため、給与額の決定は税だけでなく社会保険も含めた総合判断が必要です。ここは特に複雑で、私も毎年顧問税理士と社会保険労務士の両方に確認しています。トレードオフを試算せずに「給与を払えば得」と飛びつくと、控除を失ったうえに社会保険料が増えて逆効果になりかねません。必ず両パターンを並べて比較してください。
生計を別にする家族への外注費という選択肢
専従者給与は「生計を一にする家族」が対象ですが、生計を別にしている家族には別の道があります。それが業務委託としての外注費です。たとえば独立して別世帯を構える子や、遠方に住む兄弟に清掃や物件巡回を委託し、報酬を外注費として支払う方法です。専従者給与のような事前届出は不要で、6か月超の専従要件もありません。私は近隣の物件の定期清掃を、別世帯の親族に月ごとの委託契約で依頼しています。
外注費が認められるための実態要件
ただし外注費は自由度が高い分、実態が伴わなければ即座に否認されます。ポイントは「本当に外部委託と言える関係か」です。第一に、その家族が独立して生計を立てていること。仕送りで生活しているような実態では「生計を一にする」と判断され、外注費が給与や贈与とみなされるリスクがあります。第二に、業務委託契約書を交わし、報酬額・業務範囲・支払方法を明文化すること。第三に、報酬が業務量に見合っていること。ここは専従者給与の金額根拠づくりと同じで、清掃1回いくら、巡回1回いくらと単価を決め、実施回数に応じて支払います。私の場合、共用部清掃を1回3,000円、月2回の巡回点検を1回2,000円と単価設定し、月あたり1万円前後を外注費として支払っています。単価の根拠も残しておくべきで、私は近隣のシルバー人材センターや清掃業者の見積もりを取り寄せ、「外部に頼んでも同水準の料金だ」と示せる資料をファイルしています。身内だから相場より高い、あるいは安すぎるという設定は、どちらも実態を疑われる材料になります。外部相場と同等の単価にしておくことが、外注費の妥当性を守る一番確実な方法です。
専従者給与と外注費の使い分け
| 比較軸 | 青色専従者給与 | 外注費(業務委託) |
|---|---|---|
| 対象 | 生計を一にする家族 | 生計を別にする家族・第三者 |
| 事前届出 | 必要(3月15日期限) | 不要 |
| 専従要件 | 6か月超専ら従事 | なし(業務ごと) |
| 契約形態 | 雇用(給与) | 請負・委任(報酬) |
| 主なリスク | 過大給与・専従性否認 | 生計一体視・実態欠如 |
注意したいのは、生計を一にする家族に対して「専従者給与ではなく外注費で払えば届出も要らず自由だ」という抜け道は使えないことです。生計を一にする親族への支払いは、原則として必要経費に算入できないという規定があり、専従者給与という例外ルートを通す以外に認められません。生計が一か別かの判断は住民票の世帯分離だけでは足りず、実際に家計が独立しているかで判断されます。私は外注費を使う相手については、独立した収入で生活していることを説明できる相手に限定しています。ここを曖昧にすると、外注費が贈与認定されたり給与認定されたりして、かえって追徴課税を招きます。制度の性格を取り違えないことが肝心です。
実際に働いた証拠をどう残すか
税務調査で専従者給与や外注費が否認される最大の理由は「実際に働いた証拠がない」ことです。金額の根拠を積み上げても、実務がなされた形跡が残っていなければ「名義だけの支払い」と見なされます。機械設計では試験結果を必ずエビデンスとして記録に残しますが、家族への支払いもまったく同じで、後から第三者が見て「確かに働いていた」と納得できる記録が命綱です。私はこの証拠づくりを、支払いを始める初月から仕組み化しています。
三点セットで実態を立証する
私が最低限そろえている証拠は次の三点です。第一に作業記録です。妻には簡単な業務日誌をつけてもらい、日付・作業内容・所要時間を記録しています。手書きでもスマホのメモでも構いませんが、毎月継続していることが重要です。第二に成果物の記録です。清掃なら作業前後の写真、経理なら記帳データや作成した収支表、入居者対応なら連絡履歴。清掃写真は日付が分かる形で撮り、物件ごとにフォルダ分けして保存しています。第三に振込記録です。給与や外注費は必ず銀行振込で支払い、通帳やネットバンキングの履歴を残します。手渡しの現金は「本当に渡したのか」を証明できず、調査で最も突かれやすいので絶対に避けています。さらに私は、振り込んだ給与が家族本人の口座に入ったまま自由に使われているかも意識しています。給与を払った直後に同額が私の口座へ戻っているような資金の環流があると、「支払いは形だけで実質は自分の金」と見なされかねません。専従者名義の口座で本人が管理し、実際に本人の生活費や貯蓄に使われている状態を保つことが、名実ともに給与であることの裏づけになります。
証拠づくりのチェックリスト
私が毎月末に確認しているチェック項目を挙げます。まず、業務日誌が当月分まで記入されているか。次に、清掃写真がその月の実施分だけそろっているか。さらに、給与・外注費の振込が毎月ほぼ同じ日に実行されているか。加えて、外注費の相手には業務委託契約書と、できれば簡単な作業完了報告(メールやメッセージで可)が残っているか。最後に、源泉徴収が必要な支払いで徴収・納付漏れがないか。この五項目を毎月チェックするだけで、実態の立証力は格段に上がります。特に振込日がバラバラだったり、年末にまとめて1回だけ振り込んでいたりすると、労務の対価としての給与らしさが失われます。給与は毎月定期的に、が鉄則です。私は妻の給与を毎月25日、外注費を月末締め翌月10日払いと決め、機械設計の工程管理表のように支払いスケジュールを固定しています。この「定期性」こそが、名義貸しではない本物の労務対価であることの何よりの証拠になります。証拠は事後に作れません。支払いと同時に積み上げていくものだと肝に銘じてください。
白色申告の事業専従者控除との違い
ここまで青色申告を前提に話してきましたが、白色申告にも「事業専従者控除」という似た制度があります。名前が紛らわしいので、両者の違いを正確に押さえておく必要があります。私自身は開業3年目に白色から青色へ切り替えましたが、切り替え前は白色の事業専従者控除を使っていました。その体験から、両者の差は想像以上に大きいと実感しています。
白色は「定額控除」、青色は「実額経費」
白色申告の事業専従者控除は、配偶者なら年86万円、その他の親族なら1人あたり年50万円が上限の「定額控除」です。実際にいくら払ったかに関係なく、この定額を所得から差し引ける仕組みで、事前の届出も不要です。一方、青色の専従者給与は、実際に支払った金額を(適正な範囲で)全額経費にできる「実額方式」です。業務量が多く月10万円以上の給与が妥当なケースでは、年120万円を経費にできる青色のほうが圧倒的に有利です。逆に、業務量が少なく年間の妥当給与が50万円程度なら、届出も源泉徴収も要らない白色の定額控除が手軽で、事務負担が少ない分だけ実質的に有利なこともあります。
もう一つの制約と選択の目安
白色の事業専従者控除にはもう一つ重要な制約があります。控除額は「事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額」が上限になる、という頭打ちルールです。つまり所得が小さいと86万円や50万円の満額を使えないことがあります。青色にはこの頭打ちがなく、あくまで労務の対価として適正なら実額が認められます。私が青色へ切り替えた最大の理由は、この実額方式と、専従者給与のほかに青色申告特別控除(最大65万円)も併用できる点でした。賃貸業を本格的に拡大していくなら、事業的規模(いわゆる5棟10室基準)を満たして青色65万円控除と専従者給与の実額方式をフル活用するのが定石です。ただし青色は複式簿記と期限内申告など要件が厳しく、事務負担は白色より重くなります。規模が小さいうちは白色の定額控除で十分なこともあるので、自分の業務量と規模から逆算して選ぶのが賢明です。私の感覚では、年間の妥当給与が60万円を超えるあたりが、青色に切り替える一つの目安になります。
源泉徴収・給与支払報告書など専従者給与の手続き
専従者給与を払うと、単に振り込むだけでは終わりません。給与を支払う立場になった時点で、源泉徴収義務者としての手続きが発生します。私はここを軽く見ていて、開業初期に源泉徴収の存在を知らず、後から慌てて対応した経験があります。手続きを漏らすと、経費計上そのものは認められても、不納付加算税や延滞税といった余計な負担が生じます。事務の型を最初に作ってしまえば毎月のルーティンで回せるので、順を追って整理します。
給与を払い始めたら必要な届出
まず「給与支払事務所等の開設届出書」を、事務所開設(=給与を払い始めた)日から1か月以内に提出します。次に、源泉徴収した所得税の納付です。原則は毎月納付ですが、給与を支払う相手が常時10人未満の場合は「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を出せば、年2回(7月と翌年1月)のまとめ納付にできます。私は専従者1人だけなのでこの特例を使い、納付事務を年2回に圧縮しています。専従者給与が月8万円(年96万円)程度で、扶養控除等申告書を提出していれば、源泉徴収税額が0円になるケースも多いのですが、その場合でも納付書は「0円」で提出するのが原則です。ゼロだから何もしなくていい、ではない点に注意が必要です。
年末の手続きと年間スケジュール
年末には、専従者に対しても年末調整を行い、給与支払報告書を市区町村へ提出します(翌年1月31日期限)。同じく源泉徴収票の作成・交付も必要です。金額がゼロでも、給与を支払った事実があれば報告書の提出義務はあると考えておくべきです。私は機械設計の年間工程表を作る要領で、専従者給与の年間手続きカレンダーを作っています。具体的には、3月15日までに翌年分の専従者給与届出の見直し、毎月25日に給与振込、7月10日と翌年1月20日に源泉所得税の納付(特例利用)、翌年1月31日までに給与支払報告書の提出、という流れです。この型さえ作れば、あとは毎年同じ手順を回すだけで抜け漏れがなくなります。
💡 判断のポイント
源泉徴収税額がゼロでも、届出・納付書提出・給与支払報告書といった手続き自体は残ります。「税額ゼロ=手続き不要」と誤解して届出を怠ると、後から加算税を取られます。手続きの型を最初に一度だけ作り込み、毎年カレンダーで回すのが、私が15年続けてきて一番負担の少ないやり方です。
まとめ:所得分散は「実態が9割、書類が1割」
大家が家族へ専従者給与や外注費を払って所得を分散する手法は、正しく使えば年間十数万円から数十万円の節税につながる強力な選択肢です。私自身、専従者給与を月8万円適正に設定するだけで年間25万円以上の税負担を継続的に下げてきました。しかしこの制度は、青色専従者給与なら3月15日という事前届出の期限、6か月超の専従要件、そして何より「労務の対価として適正な金額」と「実際に働いた証拠」がそろって初めて認められます。金額から入るのではなく、業務内容・時間・世間相場を積み上げて金額を根拠づけ、業務日誌・成果物・振込記録の三点で実態を残す。配偶者控除・扶養控除を失うトレードオフは必ず両パターンを試算して比較する。生計を別にする家族には外注費という別ルートもありますが、生計の独立と契約・単価の明確化が前提です。白色の定額控除と青色の実額方式は規模で使い分け、源泉徴収や給与支払報告書といった手続きは最初に型を作って毎年回す。結局のところ、税務調査で否認されないための核心は「実態が9割、書類が1割」です。書類だけ整えて実務がなければ崩れ、実務があっても記録がなければ立証できません。この記事のチェックリストと数字を土台に、まずは自分の業務量から適正額を逆算するところから始めてみてください。なお本記事の内容は2026年時点の税制に基づく一般的な解説であり、具体的な金額設定や手続きの適否は、必ず税理士等の専門家に個別に確認したうえで実行してください。
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