旧ブログから全325記事を順次WordPressに移行中です。カテゴリやタグから旧記事もぜひご覧ください。

大家が使うべきクラウド会計ソフト比較

大家のリアル

「確定申告の時期になると、領収書の山と電卓で毎年3日は潰れる」――私が大家を始めて5年目くらいまで、これが当たり前でした。アパート2棟、戸建て3戸を管理していた頃、家賃の入金記録、修繕費の領収書、固定資産税の納付書を手書きの帳簿に転記していたんです。今思えば、あの作業に費やした時間こそ最大のコストでした。クラウド会計ソフトに切り替えてから、確定申告にかかる時間は3日から半日になりました。この記事では、15年間で複数の会計ソフトを実際に使い倒してきた私が、大家目線でのソフト選びの本音を語ります。

そもそも大家にクラウド会計ソフトは必要なのか

結論から言うと、所有物件が戸建て1戸だけなら、無理にソフトを導入しなくても国税庁の確定申告書等作成コーナーで十分です。私も最初の1戸目はそれで乗り切りました。しかし物件が2戸を超え、年間の家賃収入が300万円を超えてきたあたりから、手作業の限界を痛感しました。理由は3つあります。第一に取引件数の増加です。家賃の入金は毎月発生し、5戸あれば年間60件。これに管理費、修繕費、保険料、ローン返済が加わると、年間200件以上の仕訳が必要になります。第二に減価償却の計算です。建物本体、設備、外構をそれぞれ異なる耐用年数で償却する必要があり、手計算では間違いやすい。第三に青色申告特別控除65万円の存在です。これを受けるには複式簿記での記帳が必須で、貸借対照表まで作る必要があります。私の場合、65万円控除を受けることで実効税率20%なら年間13万円の節税。ソフト代の年間1万円前後を差し引いても、圧倒的にプラスです。手間を減らしながら節税できるなら、導入しない理由がありません。

🛒 Amazonで関連商品を探す

関連商品はAmazonでも比較できます。

Amazonで見る →

大家が選ぶべき主要3ソフトを徹底比較

日本の個人事業主向けクラウド会計ソフトは、実質的にfreee会計、マネーフォワード クラウド確定申告、弥生会計オンラインの3強です。私はこの3つすべてを1年以上ずつ使い、現在はマネーフォワードに落ち着いています。それぞれの特徴を、不動産賃貸業という観点から比較します。下の表は、私が実際に使った肌感での評価です。

項目 freee会計 マネーフォワード 弥生会計オンライン
年間料金(個人) 約12,936円〜 約11,760円〜 初年度無料・以降約10,000円〜
簿記知識 不要(独自方式) あると有利 複式簿記前提
不動産所得対応
銀行連携
サポート ◎(電話あり)

freeeは簿記を全く知らない人向けに「○○円を払った」という日常語で入力できる設計が秀逸です。私の妻に経理を任せたとき、最初に使ったのがfreeeでした。一方マネーフォワードは、銀行口座やクレジットカードとの自動連携が強力で、家賃の入金やローン引き落としをほぼ自動で取り込めます。物件数が多い大家には連携力が効きます。弥生は老舗の安心感と電話サポートが魅力で、パソコンが苦手な高齢の大家さんには根強い人気があります。

freee会計が向いている大家のタイプ

私がfreeeを使っていたのは大家3年目から5年目までの2年間でした。最大の魅力は、簿記の知識がゼロでも使える点です。通常の会計ソフトは「借方・貸方」という複式簿記の概念を理解していないと入力すらおぼつきません。しかしfreeeは「家賃が入った」「修繕費を払った」といった取引を、質問に答える形で記録していけば、裏側で自動的に複式簿記の仕訳に変換してくれます。これは経理初心者にとって革命的でした。具体的には、確定申告のシーズンになると「申告書の作成」というモードがあり、画面の指示に従って質問に答えていくだけで青色申告決算書と確定申告書Bが完成します。私は初年度、これで本当に65万円控除を受けられました。ただし、物件数が増えてくると独自方式がかえって遠回りに感じる場面が出てきます。簿記を理解している人にとっては、freeeの「親切すぎる」インターフェースが逆にもどかしいのです。だからこそ、freeeは「これから不動産投資を始める初心者」「経理を家族に任せたい」「とにかく簿記の勉強をしたくない」という大家に最適だと私は考えています。料金はやや高めですが、税理士に頼む費用(年間10万円以上)を考えれば安いものです。

マネーフォワードに乗り換えた私の本音

現在の私のメインはマネーフォワード クラウド確定申告です。乗り換えた最大の理由は、銀行・クレジットカードの自動連携の強さでした。私は物件ごとに家賃振込口座を分けており、さらに修繕費用のクレジットカードも複数枚使い分けています。マネーフォワードはこれらをすべて連携させ、家賃の入金を自動で「不動産収入」として、ホームセンターでの資材購入を自動で「修繕費」として仕訳候補に挙げてくれます。一度仕訳ルールを設定すれば、翌月以降は確認ボタンを押すだけ。私の場合、月末の経理作業が以前の半分以下、約30分で終わるようになりました。さらにありがたいのが、入力したデータがそのまま「収支内訳書」や「青色申告決算書」の不動産所得欄に反映される点です。物件ごとの収支管理機能も充実しており、どの物件が一番稼いでいるか一目で分かります。私の所有物件のうち、実は一番築古のアパートが最も利回りが高い、という事実もこの機能で気づきました。デメリットを挙げるなら、freeeに比べて簿記の基礎知識が少しは必要なこと。とはいえ、入力画面で迷うほどではありません。物件数が3戸を超えた中級者以上の大家には、私は迷わずマネーフォワードを勧めます。

🏠 空室物件、いくらで貸せるか無料査定

築古でも空室期間が長くても、借上げ実績1万室の【クロスハウス】なら収益化可能。相談料0円・30秒で無料査定。

▶ 30秒で無料査定 → クロスハウス公式

弥生会計オンラインが今も支持される理由

3つ目の選択肢が弥生会計オンラインです。私自身はメインで使ってはいませんが、大家仲間の60代の方が長年愛用しており、その理由を聞いて納得しました。第一に初年度無料という強烈な価格設定です。「セルフプラン」なら初年度の利用料が無料で、まずは試してみたいという人のハードルが極端に低い。第二に電話サポートの存在です。freeeやマネーフォワードはチャットやメール中心ですが、弥生は電話で直接相談できるプランがあります。パソコン操作に不安のある世代には、これが決定的な安心材料になります。第三に、デスクトップ版「弥生会計」で長年蓄積された信頼性です。会計ソフト国内シェアトップクラスの実績は伊達ではありません。不動産所得の申告にも当然対応しており、複式簿記での記帳から青色申告決算書の作成までスムーズです。デメリットは、銀行連携の自動仕訳精度がfreeeやマネーフォワードにやや劣ること。とはいえ、物件数が少なく取引件数が多くない大家であれば、この差は誤差の範囲です。「価格を抑えたい」「いざというとき電話で聞きたい」という慎重派の大家には、弥生が堅実な選択肢になります。

大家が会計ソフトで必ず設定すべき勘定科目

どのソフトを選んでも、不動産賃貸業ならではの勘定科目を正しく設定することが節税の鍵です。私が15年間で整理した、最低限おさえるべき科目をリストにまとめます。

  • 不動産収入(賃貸料):家賃、共益費、礼金、更新料。敷金は預り金なので収入に含めない点に注意。
  • 租税公課:固定資産税、都市計画税、不動産取得税、印紙税。これは経費になる重要科目です。
  • 損害保険料:火災保険、地震保険。複数年一括払いの場合は当年分のみ計上。
  • 修繕費:原状回復、設備の修理。20万円未満または周期的なものは一括経費。
  • 減価償却費:建物・設備の取得費を耐用年数で按分。最大の経費項目になることも。
  • 借入金利子:ローンの利息部分のみ経費。元本返済は経費にならないので分けて記帳。

特に間違いやすいのが、ローン返済を全額経費にしてしまうミスです。経費になるのは利息部分だけで、元本は経費になりません。私も最初の年にこれを勘違いし、後から修正申告するハメになりました。クラウド会計ソフトの多くは、この利息と元本の按分を補助してくれる機能があるので活用しましょう。また、修繕費か資本的支出かの判断も重要です。建物の価値を高める大規模リフォームは資本的支出として減価償却の対象になり、一括では経費にできません。この線引きは税務調査でも狙われやすいポイントなので、迷ったら税理士に確認するのが安全です。

📝 DIY父さんのnote有料記事

物件購入判断の収支計算シート+使い方完全解説

実質利回り計算を自動化するExcelシート。5棟以上の購入判断に使った完成版です。

まとめ:大家のソフト選びは物件数とITスキルで決める

15年間で複数のクラウド会計ソフトを使ってきた私の結論はシンプルです。これから始める初心者・経理を家族に任せたいならfreee、物件3戸以上でとにかく自動化したい中級者以上ならマネーフォワード、価格を抑えたい・電話サポート重視の慎重派なら弥生。この3軸で選べば大きく外しません。どのソフトも無料お試し期間があるので、まずは1ヶ月使ってみて、自分の物件の家賃口座を連携させてみてください。実際に家賃が自動で取り込まれる体験をすると、もう手書き帳簿には戻れなくなります。会計ソフト導入で浮いた時間は、次の物件探しや既存物件の入居率改善に回す。それこそが、大家として資産を増やす本質だと私は思っています。年間1万円前後の投資で、3日かかっていた確定申告が半日になる。これほど費用対効果の高い投資は、不動産業界でもなかなかありません。

プライバシーポリシーお問い合わせ
タイトルとURLをコピーしました